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廊下をずんずんと歩いていると、後ろから優太君に呼び止められた。
「都築!」

「あっ、優太君」

「送る」

「あっ、うん。ありがとう」

そして歩き出した。
「優太君…」

「何?」

「私…やっぱり無理みたい…」

「だろうな…」

「…」

「でも、やっぱりいいや。今まで通りでいいよ」

「えっ…」

「琉兄楽しそうだし」

「…そう?」

「…うん。まぁ、新鮮なのもあるんだろうけど…琉兄の頬をつねったのお前が初めてだよ。多分…」

「あははは。そうなの?」

そんな話をしながら送ってもらった。


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