色のない世界

―――――――――


トントン。
「どーぞ」

「どーも」

部屋の中に入ると、この前のメンバーが勢揃いしていた。

「こんにちは」
と一言、発すると一礼された。

「…」

「…」

「そういえばお前、王制学園の生徒なんだって?」

「えっ。うん」

「しかも、特待らしいじゃん」

「まぁ」

「見かけによらず、頭いいのな」

「見かけにって、見えないじゃん」

「…それ屁理屈」

「そう?」

「先輩にその態度はないだろ?」

「はっ?」

「俺も、王制の特待」

「…?…!!!!
本当に!?」

「本当。お前に嘘ついても仕方ないだろ」

「琉こそ、見かけによらずだね」

「はぁ?俺は見るからに頭脳派だろ?」

「いやいや…見るからに武道派…」

「はっ?何か言った?」

「いえ、何も」


.