色のない世界

「お前等、そこに一列に並べ」

「はいっ!」

返事は見事に揃っていて思わず笑ってしまった。

「ははっ…」
またまた視線が集中するのと同時に琉の怒りの矛先も私になった。

「おい、何で笑ってんだよ?」

「だって琉の一声で、みんな返事がきれいにハモッて一列に並んでるからさぁ」

「…?普通だろ?」

「えっ。そう?」

「違うのか?」

「怒るなら、そのまま怒ればいいじゃん?5人しかいないんだし…」

「…それもそうか」
こんな会話をしている最中、その5人は目で私と琉を交互に追いながら、顔が強張っていった。


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