ここのトップは確か3年。


まさか………そんなことないよね。


すれ違った集団の男達の噂が、タイミング良く耳に入った。



「トップ変わったらしいぜ!1年で校内トップだってよ!」

「ヤバくね!?それ誰だよ!」

「E組の桜井諒哉ってヤツ!!」



桜井諒哉……?


そいつが1年にしてここの学校のトップの座に君臨したと?


デマっぽい。


そんなこと思ってると、うるさいほど高い女子の声が廊下に響いた。


「桜井諒哉くんよ~!!」


だからなんだよ!


パッと後ろを振り返ると、女子に囲まれて登校してる男。



金髪のワックスでくしゃくしゃした髪。


耳たぶから軟骨にかけて、いくつも付いてるピアス。


着崩した制服。


いかにも、って感じだけどケンカする様な顔をしてない……。


飾らない笑顔を振り撒いて、周りの女子と和気あいあい。


こんなヤツが校内トップって嘘でしょ!?



「呆れる。ありす、行こ」

「あ、う、うん!」



無視して歩いてると、背後に気配。


嫌な予感……。


バッと振り返ると、校内トップ?の金髪ヤンキーが真後ろに。


切実に関わらないでほしい。