ただ久しぶりに会った蘭子は、決定的な特徴がなくなってた。


そのせいか雰囲気が、ぐんと大人になったんだけど………。


「蘭子…金髪は?」

「もう金髪は卒業したの。どう?薄めの茶髪も似合ってるでしょ?」

「俺とお揃いだったのに…」

「こんなに暗い色にしたの中学生以来」


めちゃくちゃ似合ってるけど、金髪じゃないのはちょっと寂しい。


当の本人は髪を靡かせて教室に入ってってしまう。


おまけに、化粧も薄くなって“女の子”よりも“大人の女”って感じ。



俺だけ取り残されてる気分!!



「諒哉。いつまで突っ立ってんの。式始まるから教室戻りな」

「ヤダー!蘭子といたい!」

「うん。あたしも諒哉といたい。式終わったあとね?」

「お、おう………」



うちの不素直蘭子が素直になった。


素直過ぎる蘭子も良い!!



ここは素直に俺も教室に戻ろう。