俺が笑ったら大地もいつものくしゃっとした笑顔で歩き出した。


もう、この教室ともお別れ。


俺達がたまってた居心地の良い場所。


いざとなったら寂しいな……。


「よし!この教室ともお別れだ。ありがとー!空き教室!」

「そんなデカイ声出さなくても〜……ん、出来た!」

「おー!それいいな!俺も書くー!」


埃っぽい黒板の左端にチョークで書いた「ありがとう」って雑な字。


その隣に、大地が「だいち、りょーや、ぎんたん」ってもっと汚い字が並ぶ。



空き教室を見渡して、俺は先に空き教室から一歩出た。


ここにいる時、楽しかったよ。



大地は教室が戻ってから、俺は蘭子のクラスまで行った。


あれ……来てない。


「もしかして、あたし目当て?」

「蘭子〜!!」


聞き覚えのある大好きな声は蘭子で、来たばっかって感じ。


久しぶりに会うけど、安定の可愛さ。


「蘭子ちゃーん!久しぶりー!俺と会えなくて寂しかったしょ?」

「そんなのどうでもいいから、廊下で抱きつかないで…!」

「どうでもよくないー!」


蘭子に会えないのは俺の死活問題!!