安全運転でゆっくり病院に行くと、ありすはすぐ病室に通された。


痛み……キツそう。


また、あたしは腰とか背中を摩るしか出来ない。


「まだ産まれないのかなー……」

「うん。もうちょっと頑張れば産まれるよ」

「ありがとう蘭子ちゃん…」

「気にすんな。……ちょっと病室出る」

「はーいっ」



あたしは病室を出てから談話室に行き、音瀬に電話をかけた。


そろそろ呼んでもいいでしょ?


てか、ありすが不安になるからそばにいてあげてほしい。


電話は早いことに2コールほどで繋がった。


「もしもし音瀬?今大丈夫?」

『あぁ。大丈夫。ありすになんかあったのか?』

「今病院来た。陣痛きてるから、そろそろ産まれそう」

『分かった。今から早退する』


これで一安心。



病室に戻ると、額にうっすら汗をかいてまだ苦しそうなありす。


「音瀬呼んだから。もう少しで来てくれるって」

「ほんとに!?ますます、蘭子ちゃんに感謝です……」

「いえいえ。その代わり、元気な赤ちゃん見せてよね」

「うん!もう名前の候補もあるからバッチリ♪」


楽しそうにありすは笑った。


あたしまで楽しくなる。