ちょうどその日からだ。


ほんとに強くなってやる。


そうやって心に決めた。


ただの気休めかもしれないけど「あたしは強い」って思い込ませるために髪を染め直した。


自分でもびっくりするほど明るい金髪。



「アンタなしたの!その髪の色!」

「ただの気まぐれ」


一番最初に見たお母さんが目を見開いて、髪に触れたこと覚えてる。



学校に行くと校内のヤツらがあたしをジロジロ見ては、目を逸らす。


感じ悪い。


「ラン!」

「……何?ショウ」

「また……随分目立つことしたな~。一匹狼のお前らしくねぇじゃん」

「これはあたしからの最後の頼み。卒業するまで話し掛けないで」



踵を返して背中を向けた秋。


短期間であたしは心を完全に入れ換えた。


信じられるのは自分だけって。



大切なアイツに出会うまでは、ずーっとこんな考えだった。


今から懐かしくて笑っちゃうけどね。