【蘭子side】



諒哉がシャワーに入ってる間に、あたしはミルクチョコを食べて化粧を落とす。


甘いミルクチョコが口に広がる度に、最近ありすに言われたことを思い出した。



学校での静かな昼休みのこと。


「あのですね。蘭子ちゃん」

「どしたの、ありす?」

「蘭子ちゃんは………桜井くんとシた?」

「何を」

「……そ、そのっ……エ、エッチ」


ポカーンとするあたしの頭。


まさか、ありすの口から聞くと思わなかったわ………。


あたしずっとずっと、出会った時からピュア過ぎるって思ってたのに…!


「で?あたしがそうゆうのシたか気になるの?」

「気になるとゆうか……基準?」

「……まわりくどい。ありすはシたの?シてないの?」

「つい最近、銀くんと……はい…」

「いいじゃない。別に」


顔を真っ赤にして恥ずかしそうにする。



てか、音瀬とありすの方が早かったか……。


諒哉は全くそんな素振りすらないし。


もしかして……あたしがよっぽど魅力ない?