だけど、本当の恐怖も嫌な思いもここからだった。


放課後、いつも通り一人でふらりと玄関に向かい帰ろうとすると………


トン。


肩に手が置かれた。


振り向くと、後ろにはチャラチャラした男達5人ほど。



「ちょっと顔貸してや?」

「はい?」

「空き教室連れてくぞ……」

「分かった……」


男達の怪しい会話。


その中の一人は、タバコを吹かしてあたしの肩から手を離さない。


多分………逃げないように。



ホコリだらけの空き教室に連れて行かれると、そこにも男5人。


10人も!?


カチャッと空き教室の古びた鍵の音。


ヤバイ、閉められた。



「お前ー………引地蘭子で間違いねぇな?」

「ありませんけど……。アナタ達はいったい誰ですか?」

「とぼけんじゃねぇよ!!お前の男のせいでこんなんなってんのによ~!」


教室に響くタバコを吸ってる男の怒鳴り声。


つい肩がピクッとなる………。


しかも何言ってんの?


あたし男なんていないし。