外に出れば、スマホをいじって退屈そうな銀と機嫌良さそうな大地。


春休み挟んだから久しぶりだ。


「おはよー!諒哉!」

「はよー!大地は元気なのに、銀たん機嫌悪そう!」

「悪いわけじゃねぇよ?ただ………あ、来た」

「ん?」


銀が指差すのは俺の背後。


その瞬間に、ドサッと背中に抱きつかれる感覚。


待てよ………背中に女子特有のモノが当たってるから……女の子!?



「諒ちゃーん!!久しぶり~……会いたかったよ。諒ちゃん」

「だっ、誰!?」

「あんなにベタベタされてたのに覚えてないのか?」

「相変わらず舞は諒哉大好きだな~!!」


ゲラゲラ笑って俺の背中に抱きつく女の子を撫でる大地。


舞……?


あ、永田舞(ナガタ マイ)のこと!?


なんでコイツ俺らの地元にいんの!?


しかも制服一緒!!


「待って。まずどこから質問したらいい?」

「いいよ~。一緒に学校行きながら、ゆっくり話そ?」


俺の左腕にぎゅっと抱きついて擦り寄って来る。


待って………俺、彼女いる!!