その時…… ふっ。 階段から笑い声が聞こえた。 どこかで聞き覚えのある声。 そして、その笑い声は二度と聞くことのない声だった。 まずい。 碧らしくしなきゃ! とは思わなかった。 そして、階段上を見た俺は、思わず笑っていた。 そして、彼の名を呼んでいた。 「カズ!!」 カズは階段に腰かけていた。 そして、手を組んで俺を見ていた。 「相変わらずだな、ザキ……いや、碧」 まっすぐに俺を見て、楽しそうに笑う。 俺はそんなカズを、ぽかーんと見ていた。