「俺らは練習したよ?」 慎吾が嬉しそうに笑う。 「碧の晴れ舞台だからな」 賢一はドラムを叩きながら大声で叫ぶ。 「間違えたら、てめぇの披露宴が台無しなだけだ」 困る。 こんなドッキリみたいな企画。 でも、四人で演奏出来るのが嬉しくて懐かしくて。 ギターに触れると心が高ぶってしまって。 会社のことは、俺の頭から吹っ飛んでいた。 俺はストラップを身体に回し、アンプに繋ぐ。 そして、大切な仲間を見て言った。 「間違えんじゃねぇよ、お前ら!」 「当然だ!!」