「そうだ。 蒼の高校時代、どんなだったの?」 気を取り直して話題を変える。 あたしは、蒼の過去をあまり知らない。 バスケ部だったことと、賢一と慎吾と「太ったおっさん」というふざけたバンドを組んでいたことくらい。 彼女はいたのかな? モテてたのかな? 「あ、アルバムあるよ。見る?」 蒼はすっかりいつもの笑顔になっていて。 パタパタと部屋に駆け込んで、少し埃の被ったアルバムを持ってきた。 蒼がアルバムを開き…… あたしはその世界にのめり込んでいた。