廊下に出て、一息ついた。 廊下はひんやりと寒くて。 あたしの熱くなった頭が冷えていく。 碧が彼氏だと思わずに、蒼の話をしたらいい。 だって蒼は芸能人だけど、普通の人間だから。 いつもあたしと対等に向かい合ってくれる。 人気者だからって、あたしを軽く扱ったことなんて一度もない。 だからあたしは、大好きな蒼の話をしよう。 そう思って、再び部屋のドアに手をかけた時だった。