何だか面白くなってきて。

眠っている蒼に問いかける。




「あなたは誰?」




すると、




「はぁ!?分かんねぇのか。

俺は……」






ぱちっ……






蒼はそのアーモンド型の目を大きく開いた。

そして、呆然とあたしを見た。





逆立った髪、

少し荒れた肌、

だけどたくさん寝たせいか、顔色は良くなっている。





蒼は顔を歪め、




「すごく嫌な夢見た」




そう言った。




いや、聞いているあたしはすごく楽しかったんだけど。

だけど、悩ましげな顔をしている蒼を見ると、何も言えなくなった。





「あー、なんかショックだよ……」




蒼はそう言ってふらふらとベッドから起き上がる。

そして、




「おはよう、唯ちゃん」




いつもの笑顔でそう言った。

その笑顔を見ると安心する。

そして、胸が温かくなる。

あたしさ、やっぱり蒼から離れられない。