「蒼、大丈夫?」 試合が終わり、壁にもたれかかる蒼。 心配になってあたしは聞いていた。 蒼は少し目を開けてあたしを見て、そしてふふっと笑う。 「こんなんじゃ、駄目だよね」 その疲れた色を浮かべた瞳が細く歪む。 「こんなヨレヨレじゃ、また週刊誌に報道されちゃう」 ううん、どう報道されたっていい。 あたしはありのままの蒼が好きだから。 煌びやかな碧がいるのも、蒼の日頃の努力の結果だってよく分かるよ。 才能もあって、美貌もある。 それなのに、蒼は地道な努力を惜しまない。