「いいわよ! あたし、もう吹っ切れているし」 ニコニコ笑う坂田さん。 女らしいけどサバサバしたその性格があたしは好きだ。 「誰かいい人いないかしら」 坂田さんがそう言った時、有線でFの曲が流れ出した。 聴き慣れたその甘い歌声。 バラードなのに、暴走しているリードギター。 思わず聴き入ってしまうその曲。 あたしは、Fの呪縛から抜け出せない。