私は多分、魚なんだと思う。
粗大ごみ置き場。
風が病院服の裾を揺らした。
うん、きっと魚みたいなんだ。
いつも憧れるように空を見上げる。
精一杯、手を伸ばしたって届くことなんてないのに、
魚は空を飛ぶ夢を見る。
もし、
もし此処から飛び降りたって飛ぶことは出来ない。
重力で墜ちてゆくだけ。
「それじゃあ・・・おいてきぼりだね」
言葉にすれば虚しかった。
この小さな言葉さえ空に届かないのさ。
海と空は似ているのに遠い。
まるで私みたいに。
きっと私は飛べない魚。
光には届かない。
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