「何言ってるの?どうして私がキミを撃たないといけないの?」
少女は信じれないという顔をした。
「だって、だってキミと私は同じ夢を持ってるのに」
「俺達は犠牲を出し過ぎたんだ」
少年は一歩一歩、ゆっくり少女に近付いていった。
少女は頭をしきりに横にふる。
「もう誰も殺したくないよう」
「俺もだよ」
「もう傷つきたくない」
「俺もだよ」
少年は地面に転がった拳銃を拾って少女の手に握らせる。
「嫌だよぅ・・・こんなの・・・」
少女は思わず一歩さがった。
「だから此処で終わらせよう?」
少年は一歩踏み出した。
「誰かを犠牲にした時点で幸せになんてなれやしないんだよ」
少年は少女の手の上から手を重ね、拳銃を自分へと向けた。
引き金の音がして、
「好きだよ」
少年が愛を囁いた。



