路地裏。
少年は立ち止まる。
足元には日の当たらない日蔭に咲く白い花。
まるであの少女。
「俺達が世界を汚してるんだ」
自分の声じゃないくらい冷たく感じた。
でも嘘じゃないさ。
冗談でもない。
周りの奴らから見れば俺達は陰なんだ。
きっと気付かず輝くんだろう?
俺達が此処に在ることを。
気付きもせず、見向きもしないで、
日の当たる場所で輝くんだろう?
そうだろう?
俺達の世界は汚い。
俺は利用して、利用されて歯車に振り回されて、
死んでいく。
いつか夢みたいになくなってしまうなら、
嗚呼、可愛いく笑う少女だけは、せめて傷つかないでいて。
俺は、
俺は、
消えて失くなったっていいから。