滅入る気持ちに耐えて今度は大毅のところへ向かう。 大毅を捜しながら、もう別れようかとも思った。 甲斐君があんなに怒っていたことが思いの外ショックだったのだ。 怒ると思ってなかった人が怒ったときって物凄く焦る。 「大毅」 「…」 「どうしたの?」 「別に」 「別にじゃないでしょ。ちゃんと言ってよ」 「俺さ、部活辞める」 辞めちまえよもう、と心の中で悪態をついたけれど背後から心の声が聞こえてきた。 はっきり『辞めなよ』と。