本当に偶然二人きりになり、極普通の話をしていただけだった。 けどそこに現れたのは大毅だった。 大毅は部室に入ってくるなり私と甲斐君を何度も交互に見ては、呆然とする。 そして持っていたバッグを床に強く叩きつけた。 「大毅?」 「…なんで、なんでだよ…」 「え?え?な、なんか私悪いことしたかな?」 「もういい!」 バッグをそのままに部室を飛び出した大毅。静けさが広がる二人だけの部室。一連の行動に私と甲斐君は唖然としながら見つめ合った。