たった今付き合ったにも関わらず伊勢君は私を思いっきり彼女扱いしてくれた。
…悪い気分では無かった。
何か欲しい物ないかって買おうとしてくれたり、プリクラを撮ったり、気遣って休憩させてくれたり。
「俺のことは大毅って呼べよ。俺も蜜希って呼ぶ」
「大毅?ちょっと呼びにくいかも。名字じゃダメなの?せめて二人だけのときだけ名前とか…」
「何でだよ」
「だってずっと名字だったから…」
「名前で呼ばねえと怒るからな」
「…分かったよ」
大毅、大毅、大毅。
ああ、もう。きっと明日皆に知れ渡る。そして皆が皆引くんだろう。ノリで付き合ったということに確実に引かれる。きっと隠岐君は真面目だから止めろって言うはず。