主婦ミラ子は考える ガンバルンバ編

「はい、お待たせぇ~和室完了~。
これ、お待たせぇってええよね。
付き合い始めた頃の待ち合わせとかで
顔の横くらいにちっちゃな手のひら
広げて、お待たせぇ~とか
言いながら走って来られた日にゃ
毎日、家に帰ってくるのも待ってやるーっ、
その内、別れても待ってやるぞー
って、それストーカーやがなっ!」


ミラ子は返品の電話を
掛けることにした。


「待って、待ってくださいっ!」


受話器を片手にナンバーをプッシュ
しようとしていたミラ子の手が止まった。


「すんません。
実は僕、今日が初仕事なんすわ。
ほんで、ちょっと張り切ってしもうて。
僕、これでも家に
かみさんと子供おりますねん。
仕事無くなったらなんて言うて
家に帰ったらええのやら……。
来月の息子の誕生日に
妖怪ウォッチ買ってやる
約束してますねん……それも
買ってやれんなぁ……。」


ミラ子はそっと受話器を置いた。
情にもろいミラ子であった。


「奥さん、ありがとうございます!
一生懸命お掃除させて貰います!」


漸く、まともにお掃除ロボット
ガンバルンバは動き出した。