「せっかく高い金払ってんだし、
時間もあるし…

なんかしたい事ある?」


アタシも…
ナオが嬉しいって思う事してあげたい。


「特に…

抱き合ったり、話したりして、
ただ側に居たい」


「それ、いつもと同じじゃん」


アタシの返しに、楽しそうに笑うナオ。



だけど…

"ただ側に居たい"

その言葉が、すごく嬉しい。


って、
アタシが嬉しくなってどーすんだよ…



「ひとつだけ…

知りたい事ならあるけど」


ナオがアタシを見つめた。




知りたい事…


つい、構えてしまう。



ふと、ナオの言葉が頭に浮かんだ。


ー「オレはどんな不幸に落とされても、
絶対這い上がるし…

オレにとって大事な人も、同じように
救い出す」ー