「誕生日さ…
リクエストしてい?」

ある日、ふいに切り出してきたナオ。


「いーけど、なに?」

「咲陽の手作り弁当が食いたい!」



そんなもん!?
コイツ絶対、気ィ使ってんな?

ナオの誕生日がプレッシャーって言った事、覚えてんだろーな…


「わかった。中身のリクエストは?」

「任せる。
咲陽のメシ、全部旨いから」



バーカ…



そりゃ、料理はひととおり出来るけど、
大した腕があるワケじゃない。



でもナオは母子家庭だったから…

母親は仕事に忙しく、出来合いのものを
食べて育ったみたいで…

アタシの料理を、すごく喜んでくれる。


だからアタシも頑張ってんだけど…



誕生日にそれだけってワケにはな…



あ、ケーキも作ろっかな。

ナオの好きなチーズケーキ。