フロアの一角にあるそこは、黒いカーテンで外の展示物と仕切られていた。 すでに、上映が始まっているようだ。 後ろから5番目あたりの席に、静かに腰を下ろした。 固めのクッションに深く腰を下ろし、右隣に荷物を置き、辺りを見渡した。 ――あのときと同じだった。 観覧客が少なく、前方に2組のカップルがいるのみだ。 あの日も、確かこんな感じだったな……。