そして、あたしは、やっと 心に引っかかっていたものを思い出した。 直汰は生まれつき心臓が弱くて ここまで生きてこられたのもほぼ奇跡だったということ。 そして… 「高校生まで生きることができない」 知ったときはショックだった。 あたしは、忘れようとした。 毎日直汰といることで、そのことを忘れようとした。 大事なこと、向き合わなくちゃいけないことなのに、あたしは、現実から目を逸らしてたんだ。