冷酷な彼は孤独な獣医

思いの外その場所は遠く、

途中何度も休憩をしながら、

やっとの事で坂の下まで来ると、

すっかり日は落ちていた。


細く急な坂道は、向こう側が全く見えず、

外灯もないその坂を歩くのは少し怖くて。


そんな中、風で揺れる木の音にすら驚いてしまう。


途中、走ってはみるものの、あまりに急なその坂に、

足の限界はすぐにくる。


風がどんどん強くなり、

木の音が激しくなる中、

息を切らしようやく上りきるとそこには、

周りが木に囲まれた小さなスペースがあるだけだった。



「はぁ…はぁ…はぁ…」


フラフラになりながら、

木に寄り掛かり座ると、

その間から街の灯りが見える。



「あっ……」