退室の日までに、なんとか家を空っぽにした。 「きれいに使っていただいたようですね」 管理会社の人が言う。 「鍵が、これです」 鍵を手渡した。 「電気や水道局には、ご連絡いただいてますか?」 「はい。それで…あの。 お昼だけここで食べて行ってもいいですか? 11時までには出ていくんで…」 「よろしいですよ。鍵も1時には変えるんで、そのまま出てしまって構わないです」