「もういいですよ」 と私は言った。 誰一人、動かない。 「ぜひ、お詫びをさせていただけませんかね?」 「もういいです。帰ってください」 弁護士が驚いたように言った。 「いえいえ、坂下様!そういった訳にはいかないのです」 「帰ってほしいんです」 「本日は…もしかしたら、お時間ない感じですか?」 「もういいって言ってるんです」