ザーーッザーーッザーーッザーーッーー バケツをひっくり返した雨の中 私の耳に聞こえて来た お兄ちゃんの声 『沙奈……好きだ』 『お兄ちゃん……?』 『ずっと、ずっと沙奈が好きだった……』 『お兄ちゃん……私、私ね・・・・ 次の瞬間、私の会話は遮られた 『沙奈っ!!! ……兄貴……。』 その声に振り向いた私とお兄ちゃん。 私たちの瞳に映ったのは、そう卓だった