「めんどくせー。福松こういうの好きなんだろ?一人でやれよな」
「そうもいかないよ。委員になったからには当番はきちんと守ってもらわないと。ただでさえ奈良くんサボりがちなんだから」


自分の責務はちゃんと果たせるようにならないとロクな大人になれないよ、と実直な意見を付け足せば、奈良くんは唇を控えめに尖らせながら渋々と雑草抜きを再開した。

別に奈良くんが相手だからとかそういうこだわりは特に無い。
ただ決められた仕事も片付けられないような、無責任な人間が増えていくのが嫌なだけ。
相手が親しい友人だろうが校内一の不良だろうが、怠ける者がいれば私は今と同じことを口にするだろう。


「ほんっと真面目だよな、お前」
「奈良くんが不真面目すぎるんだよ」


奈良くんったら三年が引退してからサッカー部の部長を務めているくせに、なんでこうも無責任な行動が目立つかな。
それでもルックスが良いからモテるって噂ではあるけど。