結局、私は階段で一時間以上も待たされた後、ようやく整形手術は終わった。
流行りの顔だらけに見覚えの無い手術痕の切り傷と、未だ止められてない血が流れた生徒が、沢山出てくる。
同じ顔だらけで、切り傷と流れる血だけが不自然に存在している集団に、吐き気がする。

吐き気を我慢して、目をこらして探すと、その中に切れ長の目に整形した妹もいた。


「手術終わった? 血が出てるけど、大丈夫?」

「大丈夫。待ってくれてありがとう」


私が安心して授業に戻ろうとすると、「皆さん、聞いて下さいけど」という声が聞こえた。
私と妹が同時に振り返ると、あの不信感溢れる担当者がニタニタと笑っていた。


「今日、整形手術を受けられた方の中で、事前に家族に報告された方がどれだけいらっしゃるかは分かりませんが」


嫌な予感と噂がよぎる。
整形手術を受けた集団の中で、事前に家族に相談しなかった人は――――。


「事前に家族に相談されなかった方で、この中で一番最初に整形が他人にバレた方は…………死んで頂きます」


一番最初に整形がバレた人は、殺される――――。
気持ち悪い理解不能な噂は、事実だったんだ……。





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