激しく行為を続ける二人。
あまりの激しさに、女子が座ってる床の血溜まりが、どんどん大きく広がっていく。
……あの子、出血までしてるの?

それなのに、行為は止まる気配が無い。彼女は出血、つまり怪我までしているのに。
彼氏、何を考えているの?


傷が開いて出血が止まらないのに、妹を殴るのを止めない父さん。
赤の他人がすぐ横に居るにも関わらず性行為を続け、しかも彼女が怪我してるのに心配する素振りを見せない、にも関わらずそれを拒む事すらしない彼女。

……異常だ、異常すぎる。
否定しちゃいけない光景を見てるのは分かってるんだけど、何だか気持ち悪さすら感じた。
私は妹に整形について相談されたから、父さんに妹のフォローをする事だって出来るだろうに。


「嘘でしょ……」


何でこんな事が、目の前で繰り広げられているんだろう?
想像も出来ないような、イレギュラーな事が。

あまりの気持ち悪さに、私は妹のフォローをする事も、直視する事すらも出来ず。
リビングを飛び出した。
逃げた。そう言い換えても良い。


薄着のまま家を飛び出したので、外は薄ら寒かった。
スマホすらも家に置いてきちゃったらしい。連絡も取れない、誰かに頼る事も出来ない。

外は既に真っ暗になっていて、街灯やイルミネーションが眩しかった。
気が付けば、風景が酷く滲んでいた。





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