一番隅にある部屋につき、袴田君はカギを取り出し、中に入った。



「はやくはいれよー」

「…わかってます」


無理矢理入れられた部屋。

どうも一人暮らしのようで、なんだか私は緊張します。

…つーか、なんで、私はこんなことになってしまったのか。


「南」

「なんですか」


一人暮らしの1Kの部屋は2人だと少し狭くなる。

…なんだか、距離が近いんです。


「南、なんか飲むか」

「…何かって」

「酒とか」

「…あんなにのんだのにまだ飲むんですか」

「俺飲んでない」

「…あー、そうだった。袴田君だけ飲んでよ」

「えー、やだ。一人なんて寂しいじゃん。南も一緒にのも」

「無理です。私にはそんな飲めません」

「…強制的―」


そういって、もって来たのはビール。

確かに私はビールが好きです。

お酒が好きです。

さらに今日まで、お酒なんて一口も口にしていなかったからイライラしてはいました若干。

でも、それは同窓会で解消されたから。

これ以上飲むと明日に響く。

私は、所長のくれた休みを有意義に使いたいんです。