やさしい悪魔



「今日はボンボンつけてないの?」

「え?」


聞き返すと、ソウタ君が笑ってこちらを見た。

そしてあたしの頭を指差している。



「頭のリボン!いつもつけてるじゃん」

「あぁ、今日はなんかつけ忘れちゃって……」

「ふ〜ん」



なんなく返した言葉に違和感を覚えた。


ーー「いつもつけてるじゃん」


いつもって……
まだ二回しかあってないのに。


って、なんで?!

なんでいつもつけてること知ってるの?



「いつも廊下に出てたでしょ?チュウちゃん。階段降りるときにいつも見えてたんだよね。頭よりもでっけぇのつけてんじゃん、て」



ソウタ君ではない、マサの声があたしの耳をかすめた。