やさしい悪魔



「ミチです。」と言いかけた瞬間、頭に電気が走った。


なんとなくだけどうっすら覚えてる。

今日はソウタ先輩を見るのを諦めたのに教室から見えたんだ。

そのとき、彼への気持ちに気づいて……。


電話をかけようとしたんだ。

アキと二人で屋上にきて、意を決して番号を押したままーー。

それからどうしたっけ?

悩んだまま……寝た?



「あの、誰ですか?」


追い打ちをかけるように、電話の向こうから催促される。

少しだけ声が低いけど……わかる。


もしかしてだけど、この人は多分ーー。