夜色の月は、白色の月と交わした言葉も、大切な約束――さえも、全部忘れてしまいました。



ぜんぶ……。



悲しみと孤独にとらわれてしまった夜色の月。



神様では救えません。



神様がただひとつを、そのひとつを、愛する事はないのだから。



白色の月はずっと、願っていました。



ただひとつを。