【完】私と先生~私の初恋~

20分くらい走った車は、小さな雑居ビルの前で停まった。


「オレ、車置いてくるんでちょっとここで待っててください。」



私は言われるがままに降りると、辺りを見渡した。


場所は地元で有名な風俗街。


何となく予想通りの光景に、私は特に驚く事も無く男を待った。


「いや~お待たせしました。じゃ、入りましょっか。」



直ぐに戻ってきた男に促され、私はビルに入った。


ビルのタバコ臭い空気が気持ち悪い。


階段を降りてすぐの扉を開けると、男は「てんちょ~~~!」と大声で叫んだ。


男の後に続きながら、部屋全体を見回す。


部屋の真ん中に小さいステージがあって、その周りにはフカフカの少し汚いソファが並べられている。


ステージ脇の小さな扉から、ガラの悪そうなヒョロリとした男が顔を出した。


「あ、店長!連れて来ましたよ~。」


男がヘラヘラと笑いながら言うと、店長らしき男はじろりと私を見た。


そしてヘラ男を手招きで呼び寄せ、なにやら小声で話をしはじめた。


へラ男は何度か頷くと、走って私の元に戻ってきた。


「今からそこのステージに立って、少しだけ歌ってもらいますね~」


私はビックリしてヘラ男に聞き返す。



「歌ですか?」



「そうっすよ~なんでもいいんで、テキトーに歌ってください。」



私は促されるまま、ステージの上に立った。


適当に、当時流行っていた曲を歌う。


歌い始めて早々に店長は私を止めた。



「わかった。歌はもういいから、脱いで」



言われて思わず体が固まった。



「ほら、早く脱いで。下着もね!」


ヘラ男の焦った様な声がする。


あぁ…やっぱりこうゆう事か……


私はなかば半笑いで服を脱いだ。


店長とヘラ男は、じーっと私を見ている。


不思議と、恥ずかしいとも嫌だとも思わなかった。