…よく考えたら相合い傘じゃん、これ。

少し歩いたところでふと、気がつく。


ふたりで入る傘は狭くて、外の世界とは少し違う。


なんというか、区切られた空間みたいで。



…やばいな、隣にいるのはただの、年下の幼なじみなのに。



どきどきと心臓がなり止まない。


そんな私の気持ちをよそに。

「知莉ちゃん大丈夫?濡れてない?」



そう言って良樹は斜め上から、私に微笑む。