キスすること初めてじゃないのに不思議ですよね……。


今だに、隼世くんにはドキドキさせられてキスもすごく恥ずかしい。



「……キスしないの?」

「そう焦んなって。そんなにしたい?」

「うっ、わ、笑わないで下さい…。緊張してすごいのです」

「俺も」

「えっ?」


廊下にある窓の外を眺めながら答えた。


俺も……って…。


隼世くんは緊張してるような素振りとか一切ないのに?


「俺だって茉璃とキスする時とか、すげー緊張してる。お前だけじゃねぇからなっ」

「いっ、痛いー……」


パシッとおでこにデコピン。


意地悪っぽく笑ってから、あたしの顎を指でそっと上げた。


この色を含んだ視線に捕らわれて動けなくなるの……。



いつもあたしばっかりで悔しいから、少しだけ気持ち伝えさせてね。


「隼世くん……」

「なに?」

「あたし……隼世くんのこと好きです。ううん……大好きです!ずっとずっと…」

「知ってる。照れさせんなバカ」


照れくさく笑って、あたしから顔を逸らす。


その横顔が大好き。