【隼世side】



「うぇーい!久しぶりっ♪隼世♪」

「久しぶり、恭平」

「お前またすごい髪の色にしたね!ってことは合格した?」

「当たり前だろ~!」


染めたての明るい茶髪。


受験中真っ黒に染めてて、合格したからつい昨日染め直した。


そしたら意外にも明るく色出過ぎて………


卒業式だから、もうちょい色抑えたかったのが本音。



卒業式独特の寂しさの残る教室内。


始まってもないのに泣いてるヤツ、写真ばっか撮ってるヤツ、黒板に落書きしてるヤツ。


たくさんいる。



「そいえば隼世さぁ~、茉璃ちゃんに会った?」

「まだ会ってねぇわ。玲菜ちゃんとこ行ってんだろ、きっと」

「うん、今はね。男子みんな騒いでたぞ~♪」


騒いでた?


茉璃を見て?


恭平が怪しく笑って、俺に耳打ちした。


「見ない間にちょー美人になった…って!」

「マジか………」



朝から何他の男に狙われてんだよアイツ!