ジュースをおごってもらい上機嫌なユリは、自販機の前で葛城先輩をがっちり捕まえていた。
そういえば、コータ先輩は美しすぎるから見ているだけでいい。
なんて言っていたっけ。
「あらら。あのコは葛城に気があるのかな?」
ユリが教室に戻ろうとしないので、仕方なく自販機のそばのベンチに座ると、コータ先輩も横に座ってきて苦笑いする。
「さあ…」
「でもアイツ、彼女いるんだけどな」
「そうなんですか」
ってゆーか、ユリにも他校に彼氏がいるんだけど。
ユリは葛城先輩に彼女がいるコト、知ってるんだろうか。
「…何ですか?」
横からの視線に気づき、そちらを見ずに問う。
あの綺麗な目を見ちゃダメだ。
吸い込まれて捕まってしまう。
「髪アップにしてるの、初めて見たなと思って」
「ああ…」
「似合ってるよ。かわいいな」
「……どうも」
やっぱりこの人、女慣れしてるよなぁ。


