昼休み、一階ロビーにユリと自販機にジュースを買いに行くと、あまり会いたくない先客がいた。
つい数時間前に噂の的になっていた例のイケメンだ。
「お、美緒じゃん。今日2回目~」
しかもコータ先輩と葛城先輩がセットでいた。
隣りでユリが、小声で「キャー」と喜ぶ。
あたしは「ギャ~」と言いたかった。
葛城先輩はそんなあたしの心を読んだように笑う。
「コータ、嫌がられてるぞ」
「ん~俺って、拒まれるとよけい燃えるタチなんだよね」
「だってさ、酒井チャン」
「はあ…」
あたしにどうしろと。
拒まれたら燃えるなら、拒まなければいいの?
いやいやいや。
拒まなかったらマズいことになっちゃうじゃん。
悩んでいると、目の前にカフェオレのパックジュースが差し出された。
「美緒はコレでしょ?」
「そうですけど…なんでわかったんですか?」
あたしは驚いてコータ先輩を見た。


