「美緒マジでっ!?」
「コータ先輩に何て言われたのッ」
「まさか、付き合うコトにしたとか!?」
集まった女子たちの目がみんなギラギラしている。
逃げたいけれど、ユリがあたしの髪を掴んだままで立ち上がることもできない。
まさかこのコ、意図的に?
「ほらほら美緒~。吐いちゃいなよ~」
「ユリ、あんたね…。悪いけど、期待してるようなコトは何もないよ。ただおはようって言われただけ」
「ウソだね! 葛城先輩も一緒だったんでしょ?」
「あの人は別に…」
「裏はちゃんと取ってるんだから! コータ先輩ってば、俺は美緒に惚れてるんだとか言ったらしいじゃーん!」
周りの女子が一斉に「キャー!!!!」と叫ぶ。
男子たちの迷惑そうな視線が痛い。
そんな中三上くんだけは、振り返らずに読書をしたままなんだけど…。
できたら助けてください。
「やめてよ。そんな言い方してなかったってば。それにアレは冗談だったし…」


