担当の教師が休みということで、自習になった二限目。
もちろんクラスメートたちは自習などするわけもなく、好き勝手に席を移動し、みんな自由に過ごしていた。
優等生の三上くんすら、席は移動していないものの、文庫本を読んでいたりする。
あたしは彼の後ろで、窓に背を向けながらメールを打っていた。
ヒカルからメールがきたから、それの返事だ。
『例の女の人のコト、ちゃんと深田さんにきいた?
ヒカル』
『きいてないよ。きいてどうするのさ?
美緒』
『だって気になるでしょーっ? 彼女じゃなくて、ただの友達かもしれないし!
ヒカル』
『どっちでもいいよ。あたしには関係ないもん。
美緒』
送信して、ケータイを閉じてため息。
アイツの女の存在なんて、考えるのも億劫だ。
「な~にため息なんてついてんの、美緒。ババくさいよ」


