告白 1&2‐synchronize love‐


「三上くん、おはよう」

「…ああ、おはよう酒井さん」


三上くんが振り返り、メガネを直す。

黒髪がさらりと揺れた。
朝から隙もなく見事に優等生。

三上くんを見ると、なぜだかほっとするよ。


「どうかした?」

「え?」

「なんかコワイ顔してたか…」


三上くんが言いかけたところで、後ろから誰もが振り返るような大声が上がる。


「美緒~! また後でな~!」


あたしは振り返らずに、ギリリと歯を噛み合わせた。

あの脳天気さに強引さ、おまけにふざけた感じ。

やっぱり誰かに似てる気がする。

隣りの優等生はちらりと振り返り、「ああ」と頷いた。


「あれか…。なんか大変だね」


気の毒そうに三上くんは、あたしを見てそう言った。

でもその口調はあくまで他人ごと。

それはそうだよ、他人ごとだもん。

あたしの平和な日々が、遥か遠くへと逃げていくのを感じた。