告白 1&2‐synchronize love‐


そうだ、思い出した。

葛城(かつらぎ)先輩だ。

身長が2m近くもあって、コータ先輩とは雰囲気が正反対な人。

ゴツくて厳つくて強面。
スポーツマンというよりは、ケンカの強そうな不良に見える。

でもユリ情報では、この人も女子に人気があるらしい。


「ま、仲良くしてやってくれよ酒井チャン。コイツしつこいけど、悪いヤツじゃねーから」

「葛城クン、しつこいは余計でちゅよ~」

「やめろバカ」


コータ先輩が腕で葛城先輩の首を絞め始めた。

子どもみたいにじゃれ合う二人に、仲が良いんだなと思う。

でも余計なお世話だ。

フラれてるんだからあまり関わるなって、どうしてコータ先輩に言わないんだ。

バスが着くとすぐ、じゃれてる先輩方は放っておいて、あたしはさっさと先に出た。

追いつかれてまた絡まれる前に走るかと考えたとき、

前方に見覚えのある背中を見つけて声をかける。